いわて県南の旅・web情報誌 ゆいたび

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自然界のしくみを伝えたい、自然を愛する心を育みたい

瀬川 強さん
「カタクリの会」
代表 瀬川 強さん

西和賀在住の瀬川さんが代表をつとめる『カタクリの会』は、西和賀で自然観察会を開催しているグループです。日本自然保護協会自然観察指導員で日本野鳥の会会員でもある瀬川さんは、さまざまな活動を通して、自然の素晴らしさや自然界のしくみを伝えると同時に、それらの保護を訴えています。

カタクリの花に魅せられて 20年前に移住

 奥羽山脈の真ん中に位置する西和賀町は、ブナの原生林やカタクリの花の自生地、アユ釣りの楽しめる清流・和賀川、大小さまざまな滝など、豊かな自然が数多く残る地域です。

 花巻市出身の瀬川さんは、趣味の自然観察や写真撮影で西和賀町を訪れた時に、それらの中でも特にカタクリの花の美しさ、愛らしさに魅せられ、平成元年、奥様の陽子さんとの結婚を機に移住してきました。カタクリはユリ科の多年草。西和賀町では4月上旬から5月中旬、里山のいたるところで紅紫色の花を咲かせます。

 「もちろん、西和賀町の魅力はカタクリだけではありません。ここには質のいい自然や、子供の頃に見た原風景が残っている。例えば、私は子供の頃から鳥が好きでよく森に入っていたんですが、中学生になった頃に農業基盤整備で森がすべて失われてしまいました。でもこの町にはそんな環境が多く残っているんです」。

 そんな瀬川さんが特に好きな場所は、北西部の真昼岳にあるブナ指標林。見ているだけで心が落ち着き、また、見通しが良くて歩きやすい点もお気に入りです。

 瀬川さん曰く、こうした西和賀町の自然を散策する時にはガイドと一緒に歩くのがおすすめなのだとか。例えば、夏はブナの森をテーマに滝巡りをしたり、秋はキノコや木の実を探しながら紅葉を楽しんだりと、自然を広く深く楽しめるそうです。

自然を知れば 「守ろう」という気持ちも生まれる

 西和賀町に移住して5年後、瀬川さんは「カタクリの会」を結成し、毎月1回町内で「奥羽自然観察会」を始めました。やはり自然観察指導員の陽子さんと二人で案内するもので、参加費は1回300円のみ。4月は「カタクリの里歩き」、6月は「新緑のブナの森」、8月は「和賀川遊び」、11月は「冬の渡り鳥」など、西和賀町の四季がわかるメニューを組んでいるのが特徴です。

 「花や鳥といった個々の動植物も大切なんですが、自然界の仕組みやつながり、自然は季節によっていろいろな変化があることなども知ってもらいたいんです。そうすれば、自然に『これを守っていこう』という気持ちが生まれると思うんですよね」。

 実際、開発工事の候補地で自然観察会を行ったところ、参加者の声によって工事が中止になったケースもあったそうです。

 西和賀町に移住して20年ですが、町内の自然に対する想いは強くなる一方のよう。今後はもっと地域住民に関わってもらえるよう、「カタクリの粉」(根の「鱗茎」部分を粉にした、いわゆる本来の「かたくり粉」)を核にした地域おこしも思案中。目指すは「日本一のカタクリの里」づくりです。

◆【カタクリの会】

西和賀町での自然観察会開催を目的とした会。毎月1回、四季折々の自然が楽しめる内容を企画しています。県外からの参加者も多く、参加費は1回300円で定員20名。また年6回、観察会の報告や感想文などを紹介した「カタクリ通信」も発行しており、こちらは年会費1000円で発送しています。

■申し込み/電話0197-82-3601